募集要項

やわらかい木造の住まい

木造は柔らかいのである。木や鉄がコンクリートに比べて柔らかいことは小学生でも知っている。しかし今言わんとしていることはそれではない。木造は変幻自在なのである。

教育が悪い。建築学科に入学すると、木軸の図面を描かされ模型を作らされる。それ自体に問題はないのであるが、その対象建築物が大抵の場合つまらない。日本の教育システムというものは、どうしても型式指定が好きで、英語教育を文法から始めるように、木造教育を用語と工法から始めてしまう。木造が嫌いになるのは当然である。

本当の木造はもっと自由なものなのだ。様式と言われるものは、大概の場合必要に駆られた創意工夫から生まれてきている。日本建築様式に付き物の斗供(ときょう)と呼ばれるものにしても、木というめり込みやすい材料をいかに強く組み合わせるかという必要から生まれたのだ。原型である法隆寺のような古建築は意外にも自由である。それがいつしか様式という決まりごとに成り果ててしまったのだ。

今回は決まりごとを忘れて、木というものはなんであるかということを肌で感じて欲しい。教科書に出ている様式だけが木造ではないのだ。樽も木造である。船も木造である。キャンプファイヤーに使う井桁に組まれた薪だって木造である。南京玉すだれだって木造である。扇子だって木造である。唐傘だって木造である。一本インターネットで買ってみるとわかる。実に合理的で美しい。建築に比べればずっと自由である。それが建築になると大きく重たくなるから少々難しくなるだけなのだ。

しかし理屈は同じである。ちょっと頑張って工作のつもりで色々作ってみると楽しい。建物の作り方が変われば空間が変わる。空間が変われば住み方も変わる。構造だけでなく、住み方も合わせて考えて貰いたい。自由である。ただしひとつだけ。鉄骨で構造を作ってそれに木を貼り付けるような誤魔化しはご法度である。

あくまでも構造が木であること。これが条件である。仕上げは何でも良い。

グランプリ(1点) 賞状、賞金 30万円
準グランプリ(1点) 賞状、賞金 15万円
HINOKIYA賞(1点) 賞状、賞金 10万円
優秀賞(3点) 賞状、賞金 5万円
審査員特別賞(3点) 賞状、賞金 3万円
入選(最大5点) 賞状

募集要項

応募資格 日本国内の専門学校・短期大学、大学・大学院に在籍する学生であること。
個人・グループを問いません。複数点の応募も可能です。
※高等専門学校(4・5年生)も含む。
設計条件 テーマに沿った、延床20坪(約66m2)以上の住宅を設計してください。
※規定以外の条件に関しては応募者が自由に設定してください。
構造 木造
審査基準 「テーマ」「独自性」「実現可能性」「環境配慮」を考慮し、総合的に判断します。ただしHINOKIYA賞は、ヒノキヤグループの審査員が選出し、商品化を検討する場合もあります。
審査方法 審査員による提出物の審査
結果発表 2019年10月中旬
毎日新聞全国版及び公式サイトにて発表します。
表彰式

2019年11月17日(日)毎日新聞東京本社ビル(東京都千代田区一ツ橋1-1-1)にて表彰式及び受賞パーティーを開催予定です。表彰式の様子及びグランプリの作品は12月上旬、毎日新聞全国版にて紹介予定。

※表彰式参加のための交通費は事務局が負担します(上限3万円)。
グループの場合、交通費支給は1名分のみになります。

締め切り

締め切り : 2019年9月2日(月)必着

※商品化に関してはヒノキヤグループが行い、法令・法規等をはじめとした諸条件について確認をしたうえで適宜修正を加える場合があります。